吉備路を走る
<<
作成日時 : 2007/12/22 21:23
>>
トラックバック 0 / コメント 0
(前回更新分『さぬきうどんとサッカー観戦の旅』から続く)
朝10時、ホテルの前に友人F氏が現われた。長年乗っていたチタン製のMTBを最近になって再生し、シングルスピードに改造にしたという自転車に乗って。空気中では、錆びることも腐ることもないチタンは、長持ちで、乗り心地もよく、軽い。まさに三拍子揃った素材である。ま、唯一のハードルは高価ってことぐらい。これさえ乗り越えられれば、F氏のように、長く付き合える伴侶となるのだ。
ふたりで朝の倉敷へとペダルを漕ぎ出した。走り出してすぐに、倉敷駅前の商店街にあるうどん屋さんに入った。昨年、倉敷を訪れたときに、はじめて『ぶっかけうどん』を食べ、ハマってしまった店。懐かしの味との再会でお腹もハートもポカポカ。美観地区を抜け、住宅街を通りながら、F氏が案内するままに進んでゆく。倉敷は、街のいたるところに水路がめぐらされ、しかもフタがされていない。昼間だからいいが、夜は落ちそうだな…、なんて心配しながら走ったりして。
↑美観地区にて。今回はサーリーを輪行した。
マスカットスタジムをぐるりと回り、北東へと進路を取る。空が広い。山陽本線、山陽新幹線をパスしてしばらく走り大きな神社へやってきた。吉備津神社は、国の重要文化財であるお釜殿があることで知られる。丁度、50年に一度という桧皮(ひわだ)の屋根を葺き替える工事中で1425年に建造されたという国宝の本殿を望むことはできなかった。残念。そうそう、この神社の祭神である大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)は、桃太郎伝説のモデルなんだとか。
↑吉備津神社の回廊。こちらもみごと。
吉備津神社からは、吉備路自転車道というサイクリングロードを走った。小川や畑など田園風景を望みながら、ほとんど誰もいない自転車専用道をのんびりと行く。道中には、造山古墳や備中国分寺の五重塔など、驚くほど見応えのある史跡が次々に登場する。江戸時代後期(1821年)から20年を費やし建てられてという高さ34mの塔は、見事というしかない。近くによってグルッと見渡すと、塔の裏側には、桃太郎を助けたサル、キジ、イヌの彫り物があり和まされた。
↑吉備路自転車道からみた備中国分寺の五重塔。
とまあ、ここまでは、ほぼ平地を走ったが、最後にはちょっとした峠がひとつ。「倉敷の中心部に戻るには、どこかひとつ峠をこえないといけないんですよね…」とF氏。ふたりで自転車を押しながら、小さな丘を上った。まあ、少し上ったかいがあり、振り向くと平野がドーンと広がり、それはなかなかの景色だった。峠を越えて坂を下れば、もうすぐに倉敷の中心地。チボリ公園近くにある和菓子屋さんに寄り道して、名物の苺大福とわらび餅を食べた。これがうまい! 岡山は、吉備団子が有名だが、和菓子のレベルが高いのだろう。
10時に出発して16時前まで。のんびりと吉備路を楽しんだ。坂がほとんどなく、空が広く、クルマも人も少ない。それでいて、史跡やグルメスポットが点在し、しかも、案内板までしっかりと立てられたAグレードのサイクリング道まである。うらやましいばかりの環境だ。山陽のサイクリングといえば、しまなみ海道があまりに有名だが、吉備路もこれに負けないほど素晴らしい。サイクリストにとってこれほど恵まれたエリアも珍しいと思う。いつかは倉敷に移住…、なんて本気で考えてしまった。快適なコースを紡いでくれたF氏と、今回の旅で倉敷に寄る気にさせてくれたナイスなショップのO氏、そして、倉敷の食文化を支える人々に感謝! また行きたいなぁ。
↑吉備津自転車道の途中には、親切な看板が立っている。
だから地図なしでも安心してサイクリングを楽しめる。
↑今回、吉備路を案内してくれたF氏とチタン製の愛車。造山古墳を背景に。
|